尿酸はヒトを含む霊長類と鳥類と一部の爬虫類のみしか存在しません。

それはなぜでしょうか?
尿酸がないと長生きができないのです。言い換えると尿酸があると長生きできます。

尿酸には抗酸化作用があり活性酸素から受けるダメージを防いで老化や血管や脳などの神経細胞が傷ついたりするところから守ります。
尿酸の強い抗酸化作用で知られるアスコルビン酸(ビタミンC)より強力だと言われています。
人間の尿酸値の濃度は他の哺乳類に比べて正常でも高い数値を保持していますが、そのことで人間の方は寿命が長い理由と考えられています。
アルツハイマーやパーキンソン病の人の尿酸値が低いこともわかってきています。
活性酸素は、しばしば悪者扱いされますが身体にとって必要な場合もあります。
例えば、私たちの身体にバクテリアが侵入した場合、生体防御の第一線で働く白血球は活性酸素を産生・放出してこれを殺そうとします。

この機能が損なわれるとひどい感染症を起こすことになります。

リンパ球の一種ナチュラルキラー(NK)細胞が、がん細胞を殺す場合も活性酸素を使っています。
また、生体内には情報伝達、遺伝子発現の調節やプロスタグランジンの合成などのように活性酸素が関わる重要な反応も起こっています。
活性酸素は老化や多くの生活習慣病にかかわっているとされます。
酸素を使って生きていく以上、活性酸素が生成してしまうのは宿命的なものになります。
ですが生体には活性酸素を消去する機能が備わっています。そのひとつが活性酸素を消去する酵素で、スーパーオキシドを消去する酵素と過酸化水素を消去する酵素があります。

尿酸を排泄する力は尿酸トランスポーターというタンパク質の働きによって遺伝的に決まっています。
遺伝子を変えることはできず、このタンパク質の働きを変えることは不可能なため、若年時から尿酸値の高い人や痛風を発症してしまった人では、尿酸値を上げないように生活習慣を気をつけることが必要になります。
他には無酸素運動のような激しい運動は、尿酸値が高い方にはお勧めではありません。
その理由は以下の通りです。
- 新陳代謝が高まりプリン体が多く作られてしまい、尿酸値を上げてしまう。
- 発汗量が多くなり水分不足になりやすく、尿酸値が上がりやすい。
全てはバランスよく、運動も食事も睡眠もとるようにしたいですね